精神障がい者雇用。辞められず戦力化するための接し方。

2019年7月22日

いきなり、現実から伝えたいと思います。御社の障がい者雇用の希望は「身体障害者で、できれば内部障害を抱えた人が欲しい」そう!それ!って声が聞こえてきそうです!。まず、知ってもらいたいこと、身体、知的、精神で一番多い障害って(手帳ベースで)なんだと思いますか?

【答え】精神障がい者

今まで、野に埋もれていた、そして、家族や親族がひたすら隠していた「精神障がい者」ですが、近年、社会進出が進み、障がい者を差別してはいけないよ! 障害者差別解消法 という法律ができ、しかも、埋もれていた授産施設(A型やB型)から、続々と世の中に出てきました。それまでは、「身体障がい者」が数的優位でしたが、あっさりと抜くことになりました。で、これによりどんな影響が出てくるか?

はじめに御社の希望を聞きました。身体障がい者の内部障害を持った方が欲しいんですよね?これって、日本全国同じです。どの会社さん(大手、中小問わず)も身体障がい者の内部障害を持った方を募集します。しかし、この考えは捨ててください。

御社が障がい者雇用で求人をかけた場合に、応募してくるのは90%は精神障がい者

まず、この現実を知らなくてはいけないですし、現状、精神障がい者以外の人材を取ろうと思っても、知的障がい者の比較的障害の軽い方くらいしか、ボーダーライン上には出現しないはずです。だったらば、なのですが、精神障がい者を御社の戦力にするにはどうしたらよいかを考えた方が早くないですか?

じゃあ、身体障がい者の内部障害の方はどこに行ったのか?なぞですよね。

身体障がい者は、法改正前に青田買いで雇用されまくって今では、ほぼ見つけようがない

なんか法改正ってあったのですか?  障害者の法定雇用率の引き上げについて これを、みてください。

「従前」身体障がい者と知的障がい者が障がい者雇用の対象

「改正後」身体障がい者と知的障がい者と精神障がい者が障がい者雇用の対象

つまり、法律云々ではなく、障がい者雇用に「もともと」積極的だった企業は、身体障がい者の内部障害だの、車いすの方だの、目が少しだけ見えない方だの、全部青田で刈り取ってしまった後なのです。おそらくこの記事を見ている御社様は、法改正前までに障がい者雇用なんて「これっぽっち」も考えていなかったのでしょうか?

そして、新たに追加された「精神障がい者」が市場に全力投入されます。もしこの瞬間に、「身体障がい者を採用できたよ」という企業様がいらっしゃったら、その身体障がい者は「うつもあるんじゃない?」って聞いてあげたいです。いきなり来た、メンタルヘルスの時代、御社は生き残れますか?

精神障がい者を採用したらまずやってあげること(接し方)

確認事項ですが、「求人にはトライアル雇用を入れてあげてください」これは、企業側、応募者双方にメリットがありますし、そもそも助成金や「すぐ辞めちゃった!」に関することなので、トライアル雇用は必ずかけてください。それでも身体障がい者にしか興味のない会社は「潰れます、いずれ潰れます」それだけ時代の変化に鈍感なのです。もはや、「精神障がい者」しか採用できません。これは、とっても重要なことなので、覚えておいてください。

まず、精神障がい者を雇ったらトライアル期間を通過させよう

一番つまづく場所でもあり、この記事を発見した御社様はラッキーというしかありませんが、精神障がい者を雇う上でのプロセスは必ずあります。精神障がい者で一般企業に応募してくるその多くは「統合失調症、てんかん、うつ病、双極性障害、発達障害、これらのまじりあったミックス障害」のパターンで、障害特性を把握するには、精神科医でも無理で、天文学的数字のパターンがありますが、やることはただ1つなのです。

いきなり他の健常者従業員と同じ土俵に立たせない

仕事覚えてもらって、ガンガン働いてもらって、即戦力として精神障がい者に来てもらう、それを期待するのははっきり言っておきましょう、「無理」です。それであれば、健常者を高い時給を払ってきてもらった方が効率がいいですし、これをやると、「精神障がい者はあっというまに辞めてしまう」のです。仕事の一通りの手順を説明して、「あれもこれも」やってもらうのはナンセンスなのです。

トライアル期間中は一つのことができるようになったらそれでいいと割り切る

精神障がい者の共通した障害特性は「突然の変化に弱すぎる」のです。「あれもこれも」やってほしい気持ちはわかりますし、能力的にもできそうだとしても、「絶対にほんのわずかな業務量に絞ってください」なぜか、イヤになるからです。精神障がい者は命令に敏感です。的外れな指示を出した瞬間に辞めます。もし、「コイツひまそうだな!」と感じても、放置してあげてください。なんかやらせよう、これもできるんじゃないかではなく、「これ」だけやってもらえばOKということが重要です。

精神障がい者雇用では、要望は全部とりあえず聞く

例えば、多くの企業で大量離職させている元凶が「タバコ」です(健常者市場でも大きな問題になっている)。特に、統合失調症の障がい者はタバコを吸う率が極度に高いのです。そこで、他の健常者に合わせた「タバコ休憩」の与え方をすると、速攻で辞めていきます。なぜ、その障がい者を雇ったのですか?後でも詳しく書きますが、おそらくこの人手不足感の半端ない状況において、健常者労働力の補完的な役割で採用したはずです。しかし、この方たちは健常者ではありません。よって、要望を聞き出す。その要望に応えられればできるだけ応えるのが正解です。精神障がい者に辞められたら御社の負けです。これから先、堂々巡りで精神障がい者を採用しては辞められ、採用しては辞められ、結局悪い「うわさ」だけ残ります。それは避けたいのです。

精神障がい者をA型に準拠させて雇う

追加記事→A型事業所はどのような障がい者の扱い方をしているのか?

上記、追加記事にてA型事業所でのノウハウをしっかり記述していますので、参考にされたい方はご一読ください

オーソドックスなやり方で、一番辞められにくい方法です。というのも、精神障がい者は新卒でもない限り、おおむねA型を経由して御社に入社してきます。であれば、A型のやり方をそっくりそのまま持ってくるのもありなのです。一番辞められにくい方法の一つです。

A型事業所はどのようにしているか?

基本的に障がい者の障害特性に合わせて、休ませるときは休ませる、働かせるときも「お願い」という形で、あくまでも障がい者が主体的に仕事をする環境を整えるためにあります。そして、そのA型事業所も企業に「私たちみたいにやればいいんだよ!」とモデルを示しています。それであればそのモデルをそっくりそのままコピーすればいいだけなのです。

精神障がい者を雇ったらまずやることのまとめ

なんとなく、雰囲気がつかめた企業様は、「精神障がい者の採用には自信がある、ドンと来い!」と言えるでしょう。精神障がい者の最大の特徴をさっきあげました。「仕事は精神障がい者が主体的に取り組んでいるものでなければならない」つまり、何でもできるわけではありません、これは冒頭から述べています。自分で自分からできる仕事だけ、トライアル期間にはやらせておいてあげてください。何でもやらそう、即戦力としてこき使おう、こんな企業さんは辞められるだけです。全くオススメしません。

トライアル期間には、精神障がい者はほとんど働かせない

自分でできるかも?と主体的にやっている仕事以外やらないために、ほとんどのことはできないはずです。しかし、精神障がい者の育成は時間がかかります。まずこの段階では、御社に忠誠しているわけではありません。どうしようか?辞めようか?と悩んでいます。であれば、この障がい者だけに合わせた働き方が必要で、そこはしっかりとヒアリングしておくべきでしょう。この作業を怠ると、すぐに辞められます。

精神障がい者雇用の第二段階「トライアル」が終わったあと

この時点で、雇った精神障がい者が「毎日会社に来ている」状態であれば、御社の勝ちは近いです。というのも、まず会社に来ることだけはちゃんと習慣化されました。きっとずっと会社には来てくれますし、もう少しで、精神障がい者雇用のゴールが見えてきます。

精神障がい者を戦力化する

おそらく、ほぼすべての企業は、これを目標にしているはずです。法定雇用率も達成した、そして精神障がい者が活き活きと働いている職場、これがゴールです。ではどうすればよいか?

精神障がい者を足し算で育てる

できないことを数えてはいけません。できることを増やしてあげてください。辛そうだったら休ませてあげてください。タバコが吸いたそうだったら吸わせてあげてください。そんなこんだで、このようなことを進めていくと、精神障がい者雇用の心臓「会社への忠誠心」が生まれます。こんな精神障がい者は、いろいろ吸収していきます。もしかすると、「もっとこんな仕事がしたい」と提案を受けるかもしれません。ここで、御社の勝ちです。精神障がい者雇用は、自信をもって進めることができるでしょう。こんな企業が日本中に多くあればと考えています。精神障がい者を戦力として持っている会社。素晴らしいではないですか?

実はこの時点であっても、記事にタイトルはいれていませんし、どの検索ワードで読んでもらえるかのSEOをいれていませんが、はっきりいって、精神障がい者雇用は企業側からして「ブルーオーシャン」なのです。今後、以上に伸びる市場ですし、やり方、ノウハウ一つで圧倒的な優位に立てるのは大きいです。そんな記事を書いてきました。

精神障がい者雇用を成功させるテクニック編

日本にごまんといる精神障がい者、そして法律が変わり、人手が足りない昨今、御社が目指すのはただ一つ「二兎を追うこと」なのです。法定雇用率を達成させて、精神障がい者を戦力化するのです。そのために必要なテクニックをまとめてみます。まずはじめに、御社はなぜ、精神障がい者と知りながらその方を雇ったのですか?理由は絶対にあるはずです。ここはしっかり確認しておきましょう。

はじめは好きなことをやらせろ

さっきから何度も言っていますが、「あれやれ!これやれ!」、は精神障がい者は即座に辞めます。ジュース飲みたい、飲ませてあげてください。ちょっと寝たい、寝させてあげてください。タバコ吸いたい、吸わせてあげてください。

「わがまま?」それは健常者の集合体の御社の言い分です。ここは精神障がい者に合わせましょう。よく考えてください。その精神障がい者が20年会社に在籍して、200億円分の仕事をしたら、雇わなかったら毎月5万円国に没収されるんですよ。年換算で60万円損するのか、10億円貢献してもらうのか?

具体的な方法を示します。

役割分担を明確化する。そして周知する。

雇っている精神障がい者に、「やらせていい業務を承認する」役割の人が必要です。できれば、地位の高い方が理想です。そして、その「やらせていいよ責任者」が認証しない業務を勝手にやらせてはいけません。

もう一つ大事なのは、「何でも聞いてねさん」これは誰でもいいですが、当然面倒見のいい方がオススメです。「やらせていいよ責任者」が兼任してもいいです。とにかく、なんでも、全て聞く専門の方が必要です。

この二つの専門員が決まったら、専門員が社内(部署内?)に周知させます。回覧板を使ってもよし、各セクションのリーダーに「全員に説明しておいてね」と頼むのもよし、実際にここでつまづく企業の多いこと多いこと!精神障がい者は、周知を差別なんてみじんも感じていません。むしろ、「特別扱いしろよ」という感覚の方が強いです。

仕事中にコーラ飲んでた、寝てた、タバコ吸ってた。後で、誤解を生んでぐちゃぐちゃになる前に、「配慮が必要なので、ご協力お願いします」と頼んで、周知して、「やらせていいよ責任者」が「従え!」と言えばいいのです。

精神障がい者の人権を守るために「周知」する

精神障がい者には、働く権利があります。それを妨げているのは、偏見ではありません。「みんなに正しい情報を教えなかったから」なのです。はっきりいって、精神障害で今時差別する人はいません。それより、なんであいつだけサボってんの?っていうのが疑問なのです。そこは、「精神障がい者枠で採用していて、今職場に慣れてもらっている」と言えない企業が多いし多い。はっきりと働いている人全員が「知っている」状態にしてください。このご時世に、「それって差別?」とか「いじめてやろう」とかあり得ないので、全く大丈夫です。

精神障がい者を雇うメリット(まとめ)

今現在、企業は精神障がい者雇用に試行錯誤です。採用は極めて簡単。しかもまれに「すごい経歴の人もいる」と、企業にとっては精神障がい者は「採用時点では」ブルーオーシャンです。しかし、現場で間違えた扱い方を1回しただけで、辞められてしまう、また採りなおす、辞められる。どうですか?日本の99%の企業はここに悩みを抱えています。人手不足、賃金の上昇、いい人いないかな?、いい人いないかな?

ここまで読んで、「やっぱり身体障がい者の内部障害がいい」なんていう企業さんはいないでしょう。であれば、日本で才能を余している多くの精神障がい者の方たちに活躍の場を与えてみませんか?

しっかり説明はしました。それでもわがままだ!というなら、御社がわがままなだけなのです。精神障がい者は弱くて強いです。弱い部分を補ってあげて、WINWINの関係を築いていただきたいと思い、執筆させていただきました。長文でしたが読んでいただきありがとうございます。

リンク集

A型事業所のノウハウ やり方が知りたい場合→A型事業所はどのような障がい者の扱い方をしているのか?

A型事業所に落ちた場合やA型事業所の構造的問題について→A型落ちた!就労移行A型落ちた不採用になる根本的な理由とは?

障害年金に落ちた場合→障害年金に落ちた。障害年金に落ちたときに確認すること。(精神障がい者向け)